首都大学東京での、来年度大学院ゼミのシラバス
2014年度(来年度) 大学院ゼミ シラバス
★授業方針・テーマ
【危険思想としての社会学】
社会システム理論は、ウェーバーやデュルケームやジンメルの時代から、右翼思想や保守思想や全体主義思想と極めて近縁である。そのことは社会学の欠点よりもむしろ長所と密接に結びついている。そのことを徹底的に理解した上で危険回避の方法を探求する。
★習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
社会システム理論の最先端、ならびに政治哲学の最先端の議論を、習得する。それを通じて、全ての社会学ないし社会理論の政治性をチェックできるようになることを目指す。同時に、目下の政治状況を適切に記述し、マッピングするための能力を習得することをも目指す。キーワードは、全体主義、右翼、保守主義、社会化、ニューディール政策、パターナリズム、事実性、恣意性、非任意性、歴史性。
★授業計画・内容
キーコンセプトは「危険思想としての社会学」とし、一定の角度から社会学史と、社会の歴史との関係を、徹底的に掘り下げる。
【前期】
1 理性・啓蒙・専制ー(社会学の揺鹿)
(中心となる歴史的事件:フランス革命、普仏戦争)
2 情念・生・イデオロギ一一(社会学の興隆)
(中心となる歴史的事件:第1次世界大戦とワイマール体制)
3 普遍・正義・覇権一(社会学の全盛)
(中心となる歴史的事件:大恐慌とニューディール政策、第2次世界大戦)
【後期】
4 自由・差異・闘争ー(社会学の衰勢)
(中心となる歴史的事件:社会福祉国家の破綻とネオリベラリズム)
5 正統化・設計・正戦ー(社会学の転換)
(中心となる歴史的事件:冷戦終結とグローパリゼーション、9.11)
テキスト・参考書
院生諸君の希望ならびに学力を参照しながら、ゼミナールの冒頭段階で詳細を決める。
成績評価方法
ゼミ報告をした者にのみ成績評価をおこなう。ゼミ報告のクオリティとゼミでの発言頻度やその内容を評価して成績をつける。
特記事項
なし
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