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前半|宮台真司×福山哲郎|緊急配信 検察庁法改正案を考える|2020.05.16ライブ

投稿者:miyadai
投稿日時:2020-05-21 - 07:08:45
カテゴリー:お仕事で書いた文章 - トラックバック(0)
【宮台真司×福山哲郎|緊急配信 検察庁法改正案を考える】
You Tube|2020.05.16(土)ライブ配信
福山哲郎さん : 参議院議員/立憲民主党幹事長
宮台真司   : 社会学者/東京都立大学教授
(文字起こし : 立石絢佳 Twitter: @ayaka_tateeshi)

前半(※長いので前半と後半に分けます)


▶黒川弘務が辞めてしまうことで牢屋にぶち込まれるのが怖い安倍晋三

福山哲郎(以下、福山): 立憲民主党の福山哲郎です。日頃からご覧いただいてありがとうございます。
 昨日、検察庁法の改正が衆議院の内閣委員会で強行採決か、という緊迫した中で開会がされました。やっと出てきた森法務大臣の答弁は、やはり任期延長の基準については曖昧な答弁に終始して、全く説明がなされていないという状況でした。
 昨日の審議に関して言えば、委員会は終わって、理事会が休憩をして協議をしている最中に野党側から武田担当大臣の不信任決議案が提出をされまして、内閣委員会は昨日の段階では散会になりました。
 これはですね、大臣の不信任案というのは非常に重たいものですから、これを処理をしないと、他の議案については議論ができないという状況で、この大臣の不信任案を来週に火曜日の本会議に裁決をする、議題にするという状況で国会が動くことになっています。ですから少なくとも来週の火曜日の本会議、武田大臣の不信任案がどちらにいくかわかりませんが、決着がつかない限りは、内閣委員会の裁決については、もしくは審議については行われないという状況になっています。
 しかしながらこの土曜日・日曜日・月曜日とこの3日間、国民のみなさまに声をあげていただいて、なんとしてもこの検察庁法の改正案については「やめろ」「おかしい」「裁決をするな」という声をあげていただければと思いますし、同時に昨日ですが、松尾元検事総長をはじめとした元検察官のみなさんが、抗議の意見書を出されました。私、意見書を読ましていただいたんですけれども、ちょっと正直申し上げて、こういう意見書というのは堅い言葉が多いんですけれど、非常に理に尽くした名文だったと思っておりまして、実は読みながらちょっと、胸が熱くなりました。検察OBのみなさまがここまでの思いを持って意見書を出されたと。これは与党もしっかりと受け止めるべきだというふうに考えております。
 コロナの問題は、こういう内閣委員会の問題があるにも関わらず、昨日の夕方ですけれども、政府・与野党連絡協議会が開かれまして、野党側が変わらずに、家賃の問題、学生支援の問題、与党は「10万円」と言っていますが、これ実は対象がすごく少ないので、「20万円一律」やるようにという話とか。それから地方の交付金の大幅の増額、等々について要望を新たに出しています。
 一方で新しい形としては、いわゆる企業に対する……昨日レナウンの民事再生法の申請というニュースも流れていますが、大企業も含めた企業に対する公的機関の出資等についての対策の要請、それから公共交通機関が極めて経営が厳しくなっておりまして、この問題についての支援要請、それから子ども食堂やあらゆる子ども、それから障害を持った方々、等々に対するNPOをはじめとした公的法人の活動がですね、非常に活動が制約されているのと、資金が非常に厳しい状況になっておりますので、このことについても充分に留意した支援策を講じることも含めて、野党側としては、要望しました。もちろん、雇用調整助成金の上限額の1万5千円は当然のごとく要望に入れました。
 こういった状況の中で、実は家賃の問題についてはいまだに自民党は、1つの店舗だけ、1つの事業法人だけという話になっておりまして、これについても我々としては抗議をしているところでございますので、しっかりと今後の要望を伝えていきたいと考えております。来週また緊迫した週がはじまりますけども、みなさまにもぜひ、声を引き続き上げていただければと思います。
 さて、お待たせいたしました。今日は社会学者で東京都立大学の教授でいらっしゃいます宮台真司先生にお越しをいただいております。宮台先生と私はもう、かなり古いお付き合いで、私はもう宮台先生の大ファンで、ずっとご指導いただいてました。10年ほど前には一緒に、恥ずかしながら共著も出さしていただいて、先生の社会を見る目には、本当に僕は目から鱗が落ちる場面が、一度や二度ではなく、何度もあります。今日は宮台先生にお忙しい中お越しいただいて、いまこの検察庁法について、そしてコロナの対策、そして日本社会をどう先生が見ておられるか等についても、お話を承っていければというふうに思っております。宮台先生、こんばんは。


宮台真司(以下、宮台): はい、こんばんは。

福山: すみませんお忙しいのに急にお願いをして来ていただいて、ありがとうございます。

宮台: とんでもありません、よろしくお願いします。

福山: 先生のご活躍はいつも拝見しておりますので、今日ももう存分に先生の、「宮台節」をお伺いしようと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

宮台: 「宮台節問題」についてちょっと言いますと、去年の3月に終わった「[荒川強啓の]デイキャッチ」ですね。その時代から「安倍」っていうふうに呼び捨てにしています。それは、安倍は犯罪者だと確信しているからですね。なので、本来だったら「安倍」っていうふうに呼び捨てにしますが、福山さんのことを考えて今日は「安倍さん」というふうに呼ぶことにしましょう。

福山: すみません、ありがとうございます、ご配慮いただいて(笑)。

宮台: ネトウヨは、右翼ではない単なる神経症なので、「ウヨ豚」と呼んできていますが、従来通り「ウヨ豚」という言葉を使わせていただきます、よろしくお願いします。

福山: 先生の使用用語ということですよね(笑)。


宮台: そうです!

福山: わかりました(笑)、ありがとうございます。まずは、松尾元検事総長をはじめとする元検察OBら15人が意見書を出したということです。さて、この検察庁法の改正ですが、コロナのこの状況の中で急に降って湧いて、実は去年からこの問題はくすぶっていたわけですけれども、まずは500~1000万といわれる「#検察庁法改正案に講義します」というリツイートの数、大きな反響になっていますが、この現象について宮台先生はどのようにお考えでしょうか。

宮台: ふふふ(笑)。まず前置きとして言うとね、「コロナなのに桜かよ」みたいにウヨ豚や安倍応援団のインチキ知識人が言っていましたよね?

福山: はい、言ってました。

宮台: それを言うなら「コロナなのに検察庁法改正かよ」。本当に酷い話です。しかも、安倍応援団のインチキ知識人たちが、「いやこれは昔から問題になっていた公務員法の定年延長の問題なんだ」って言いくるめようとしているわけです(笑)。でも、公務員の定年延長の問題と、検察庁法の改正とは全く違う。もちろん、バカじゃない限りはわかっているんだけど、残念だけど、バカがウヨウヨいるので、今日は説明させていただきます。
 まず、人々の「怒り」の根源は、「自分だけは牢屋に入りたくない安倍さん」の醜悪さです。自分が違法な振る舞いをしているのを自覚しているから、検察庁長官を必死で変えるたがるわけ。変えないと、自分のお手々が後ろに回って牢屋にぶち込まれる。それが怖いんでね。それだけの理由で、もみ消しの帝王として知られている黒川弘務を検事総長にしたくて、無理筋の定年延長をした。そういう経緯があまりにも詳らかなので(笑)、人々が怒ったわけですね。僕はね、2月の下旬ですけれど、短歌を詠いました(笑)。

 国辱の
 頂(いただき)究めた
 安倍晋三
 黒川やめれば
 すぐ牢屋行き


 分かりやすいでしょ?(笑) それで、いろんな人が本歌取りのような形でこれに続けてたくさんの歌を詠っていただきました。ツイッターのまとめで、みなさん見ていただけます。[https://togetter.com/li/1474966]
 さて、500万という数に至った段階で、この膨大な数について、計算社会科学を研究してらっしゃる、tori氏が膨らましではないということを数理的に証明しておられます。[https://note.com/torix/n/n5074423f17cd]。彼の記事については、直後から僕がツイートして紹介したし、別のラジオ番組でも紹介しました。そうしたら、それを拾ってくれて、テレビの一部も記事の内容に準じたことを報じてくれるようになったっていう経緯ですね。
 どんな実証かっていうと、簡単です。ツイッター社がツイート数の時間的変化を明らかにしてくれています。そこから数理的に分析をすると、スケールフリー性が存在することから、Botではないことが証明されます。あともう1つ、全ツイートに含まれる新規アカウントの割合が0.3%だということから、特定の人間たちがアカウントをどんどん作って膨らましているんじゃないことも実証されているんですね。ウヨ豚やそれにつらなる一部与党議員が──僕が言う「安倍ケツ舐め勢力」が──「膨らましているだけだ!」って言いがかりをつけていますが、そうした言いがかりこそが嘘っ八であることが証明されています。
 話を元に戻しますけれど、安倍さんの振る舞いはね──まあ「さん」なんて本当は付けたくないけれども──本当にヘタレで卑怯ですね。安倍さんが一般市民なのであればまだしも、政治家なんですよ。それなのに「牢屋に入りたくない」という私的な動機だけで検察庁法を曲げるなんて、いやはやあり得ない。早く牢屋に入れよ、コラ!
 マックス・ウェーバー[ドイツの政治学者・社会学者・経済学者]がね、「政治家には市民よりも高潔な倫理が求められる」というふうに言っています。彼は、「法を守っているだけでは国民を守れない場合、敢えて法を超えることで国民を守るのが真の政治家であり、真の政治家は、それに成功しても失敗しても法を守らなかったことで血祭りにあげられることを覚悟するのである」というふうに、はっきり言ったんですね。

福山: 言ってますね。

宮台: ね? それと比較すると、安倍さんっていうのは何なんでしょう(笑)。何としても「自分は法の内側にいる」っていう嘘をでっち上げる。これはモリカケ問題からはじまって、桜問題まで続く。同じような事案が他にもたくさんあるわけだけれど。ひたすら嘘をつき、嘘をつかせ、そのことで人を死に追いやりもしながら、自分の保身をだけ貫徹してきたわけ。違法な振る舞いをしているのに、「法の内側にいるんだ」って言い続け、どうにもヤバクなったんで、今度は法を変えると言い出す。政治家の資格もないどころか、市民としての資格さえない。血祭り覚悟で法を破って国民を助けるどころか、お縄が恐いというだけで自分は法の内側にいると言い続け、挙句は法まで変えようと。どれだけヘタレなんだ(笑)。
 これを見るとね、やっぱり僕は、東京裁判でのいわゆる軍部指導者の言い逃れと同列だなって思います。たとえば、ご存知のように、レイテ戦やインパール作戦では、戦死者の9割以上が戦闘で死んでないんです。餓死と病死で死んだんですね。

福山: そうですね。そうです、そうです。

宮台: なぜか。兵站がなかったからです。兵站がなかったところで作戦を強行したのは、陸軍参謀本部ですよね。陸軍参謀本部といえば、陸軍士官学校出身のピカピカのエリートたち。帝国大学出身者よりもエリート視されていました。この人たちは、東京裁判で裁かれるときに、まぁ徹底してショボい言い逃れをしたわけ。「自分は内心、忸怩たる思いがあったが、空気には抗えなかった」みたいな。

福山: 『「空気」の研究』って[書籍が]ありますよね。

宮台: 山本七平さんですね。彼がそのザマを紹介しています。彼は「空気」のほうに注目したんだけれど、僕は「卑怯さ」に注目したい。っていうのは、本当に恥さらしな指導者だったからですね。こんなクズどもが、日本の戦争を主導していた。その結果、本当に多くの日本人がムダに死んだんです。本当に、こうした輩こそが国賊であり、国家に対する逆賊そのものです。そういうクズどもの姿と、安倍さんの姿が、全く重なって見えます。

福山: 先生が言われた、嘘をついてきたという話で言えば、国会で役人が虚偽答弁をさせられる状況を作った。さらには公文書を改ざんせざるを得ない状況も何度もあった、というようなことですよね。

宮台: そういうこと。そのことを含めて、政治家としてあるまじき……というか、自称保守のくせに、保守主義の政治家としてあるまじきこともやっていますよね。
 保守主義は、エドマンド・バーク[イギリスの政治思想家・哲学者・政治家]がフランス革命の同時代から提唱した、比較的新しい近代思想です。どういう思想かを彼が語った一節で例をいうとね、「そこに塀がある理由が完全に明らかになるまでは、塀を一切いじってはならない」です。特に古い塀であれば、そこに塀がある理由が百パーセント分かるなんてことはない。だから、なおさら簡単にはいじっちゃいけない。やむをえず、いじるときにも、様子を見ながら少しずつ変えなければいけないという、インクリメンタリズムの発想です。
 抽象的にはこうなります。“理性のキャパシティは限られている。だが社会はすでに複雑化している。だから、社会がうまく行く理由も、うまく行かない理由も、理性の力ではさして明らかにならない。だから、うまく行かない社会を変えようとして「何か」を変える場合にも、その「何か」の機能を見定めるべく、少しずつやるべきだ”と。つまり、完全に合理主義の枠内に入る思想です。実際、伝統主義とは合理主義だと言ったのが戦間期の社会学者カール・マンハイム。“保守主義とは伝統主義ではなく、再帰的伝統主義である”と言いました。再帰的というのは、伝統の機能を合理主義の観点で評価する営みのことです。
 さて、保守主義からは、法がどう見えるか。法は、単独では機能しません。法には、「疑わしい半影」がつきものだからです。これは、法理学者ハートの言い方です。ボールで電球を照らすと、普通の濃い影の外側をぼんやりとした薄い影が覆います。それが半影です。法には、法だけで規定できない未規定な部分があることを言います。とすると、法を適用できるのはなぜか。それは、法をコモンセンス(共通感覚)が補うって形になっているからです。
 だから、保守主義の立場からすれば、とりわけ政治においては、法に「やってよい」と書かれていないことは「やってはならない」。これは、市民においては、法に「やっちゃダメ」と書いていないことは「やっていい」のと反対です。なぜか。社会生活を支えている僕たちが必ずしも気付いていないコモンセンス(共通感覚)を、守るために必要だからですね。
 ところが安倍ときたら……あっ、安倍さんときたら(笑)本当にすごいわ。長年の慣行を破って、内閣法制局長官を勝手に変えた。非難されると「だって、変えちゃいけないって法律に書いてないもん」。同じように、全会一致が慣行の、宮内庁長官人事もNHK予算も会長人事も、勝手に変えた。非難されると「変えちゃいけないって法律に書いてないもん」。左派である社会党や民主党が政権をとっていた時代にもあり得なかったことです。その意味じゃ、安倍さんは、保守どころか、左よりも左の「破壊的革新」なんですよ(笑)。
 法は、法を支える「プラットフォームとしてのコモンセンス(共通感覚)」という前提があって、初めて社会を支えるものとして機能する。それが保守主義の真髄です。実際、コモンセンスを壊して、法治国家が機能するはずがないんです。これはイデオロギーではなく、保守主義という合理主義的理論が、疑問の余地なく証明しています。ところが安倍さんは、保守主義を名乗りながら、そんなことも知らないという。「大丈夫なの、この人?」っていうね(笑)。これはもう、僕が何年も前から主張してきたことだけれどね。それだけでも、本当に酷い政治家だと断言できます。


▶日本の政治の中枢や経済団体の中枢はクズが作っている


宮台: さて、いまプラットフォームについて話したけれど、これはすごく大事な概念です。たとえば、一般の犯罪者が法を破れば、司法プロセスを通じて粛々と裁かれる。ということは、プラットフォームは変わらないわけです。でも、もし犯罪者が政治家で、犯罪の罰を逃れるためにどんどん法を変えるってことをやったらね、プラットフォームが変わってしまうわけです。そうしたら、このプラットフォーム上で暮らしている日本人の生活や、それに貢献している政治の営みは、ぐちゃぐちゃになります。
 たとえば、警察に逮捕されたり送検・起訴されたりして取り調べを受けてもね、「オレの前に、安倍を逮捕して自白させろよ」「安倍を自白させたら自白してやるよ」っていうヤツが出てきても不思議はないです。あるいは、「国のトップが平気で犯罪をやってノオノオとしているのに、俺のちっちゃい犯罪を裁くなんてオカシイだろ」っていうヤツが出てきても不思議はない。つまり、これが「プラットフォームの崩壊」が意味するところなんですね。

福山: そうですね。

宮台: いま話したのは人々から遵法動機もなくなるという話ですが、それだけじゃない。もみ消しの帝王の黒川弘務が検事総長になれば、安倍政権に関連する政治家の事案を持っていっても、潰されます。それだけじゃない。握りつぶしだけじゃなく、冤罪も好き放題です。安倍が黒川に「あいつを何とかしてくれ」と耳打ちすれば、平気で冤罪をデッチあげます。実際、安倍さんには実例があります[第1次安倍政権]。
 2007年の緒方事件=朝鮮総連所有権移転詐欺事件です。朝鮮総連が被害を受けていないと繰返し訴えたにも拘らず、検察が、北朝鮮への強硬路線で名を上げる安倍政権の意向に直接従って、政権の意に抗って朝鮮総連の仕事を請け負った元高検検事長・緒方重威さんが冤罪で逮捕起訴されちゃった[https://tinyurl.com/y7b2o24e]。緒方さんの本を読むと具体的なことが分かるけれど、「政権から意を直接伝えられて従うケツ舐め検察幹部ら」の実例です[https://tinyurl.com/yas8pg54]。
 政権が総長人事を握れば、「政権から意を直接伝えられて従うケツ舐め検事総長」の下で、揉み消しも、冤罪も、自由自在。従来から検察は、政権忖度を含めた勝手な思い込みで暴走してきたけれど、「疑獄事件で政権を終わらせる」という形で、ときどきは政権の暴走を食い止める機能を果たしました(笑)。それすらあり得なくなるわけです。国民は、検察の暴走と、政権の暴走の、二重苦に苛まれることになっちゃう。
 これが、国家公務員法という一般法に優越する特別法である検察庁法を、国家公務員法の解釈を変えたという出鱈目な言い訳をしながら、東京高検トップの黒川弘務の定年延長を違法に図ったという問題の、本質中の本質なのです。違法な定年延長だから、黒川弘務はもはや東京高検検事長「ではない」のです。そのうち、黒川決裁の書類なんかが出て来たら訴訟のオンパレードになるでしょうね。
 でも、「黒川弘務問題」に留まらないんですよ。検察庁法の改正は、違法な定年延長を、事後法で正当化するものです。それ自体が法が過去の事案に効力を持たないという「不遡及原則」ないし「事後法禁止原則」に反しているってのもお笑いだけれど、検察庁法が改正されてしまえば、詳しくは後で説明しますが、内閣がオーケーと言った場合にはいくらでも定年延長できちゃうんですね。延長、延長、延長っていうふうに繰り返せる建て付けだからです[検察庁法改正案第9条]。そうしたら、黒川弘務の後にも、第2、第3の黒川弘務が検事総長になって、黒川モドキが永久に連鎖するわけ。これが安倍応援団がいうような「国家公務員の定年延長問題」であるはずがない。安倍応援団の頓馬ぶりについては、以上で証明終わり(笑)。
 次に、誰が悪いのかを話します。安倍政権や安倍政権モドキに選ばれる検察トップが悪いわけじゃない。それが行政官僚というものだからです。さっきのウェーバーが言うんですが、行政官僚って「予算とポストの動物」なんです(笑)。でも、だからこそ行政官僚の振る舞いが計算可能で、それゆえに行政官僚として機能するのだ、と。だから「予算とポストの動物」であることは悪いことじゃない、とウェーバーは言います。僕もそう思います。しかし、だからこそ、政治家が行政官僚を「うまく使う」必要があるんですね。
 彼が言うには、行政官僚制の作用因子は「予算とポスト」だけ。だから、国民の利益に反する方向に幾らでも暴走する。それを抑止するには、政治家が大目的を持って、行政官僚に目的を与えなきゃいけない。なぜなら、近代国家では、権力関係の建て付けが「国民>政治家>官僚>国民>政治家>官僚>……」っていう循環関係だから。部分だけとれば「市民が操縦する政治家・が操縦する官僚」になる。ところが、安倍さんときたらどうか。行政官僚が「予算と人事の動物」であることを利用して、国民の制御を離れて、お仲間の私利私欲や「お縄から逃げたい」という私的動機だけで、行政官僚制を引き回すわけ。クズです。
 そのときに用いられる手法も、卑怯で姑息です。僕は昔から言ってきたように、劣等感を抱く人間は、劣等感に抱くヤツがどう振る舞うがよく分かるので、他人の劣等感につけこんで操縦する、っていうことをやるわけです。僕の定番の言葉なんで、不愉快でも聞いていただきたいんですが、“劣等感を抱くヤツ・のケツを舐める劣等感を抱くヤツ・のケツを舐める劣等感を抱くヤツ……”という「ケツ舐め連鎖のムカデ競走」になって、“どこを切っても安倍さんの顔“という「金太郎飴」になっているんですね。
 たとえば、1回人事で政治家を干した後に、そいつを取り立てると“クソがついたケツでも舐める”ようになります。行政官僚も同じです。キャリア官僚ってご存知のように、入省したときに1位か2位か、せいぜい3位までに意味がある。あとは次官になれないからです。事務次官って、菅義偉によって今の内閣人事局が作られるまでは、役人トップの地位でした。ただし法務省を除いてはね[法務省は検事総長がトップ]。すると、入省順位が1位か2位か、5位か6位かって意味が違うんです。5位・6位とかはずーっと劣等感を持って生きてきたわけ。それを官邸官僚として取り立てるでしょ? そうすると、やっぱり“クソがついたケツでも舐める”ようになるんですね。
 もちろんだけど、この背景には、安倍さん自身が劣等感の塊であること、そして菅さんも劣等感の塊であることが、あるでしょうね。繰り返すけれど、深い劣等感を持つ輩たちは、深い劣等感を持つ輩たちがどう振る舞うのかを、よく分かっているんです。だからこそ、こういった非常に問題ある人事がなされるわけです。ところが、行政官僚制って、行政官僚が「予算とポストの動物」なので、自動的に“病巣を拡げる”働きをしちゃう。
 たとえば、入省順位1位・2位の官僚にしたら、自分よりも能力も道徳もはるかにも劣るクズが、官邸に入って偉そうに振る舞っているわけよ。官邸官僚トップの今井尚哉[内閣総理大臣補佐官]も、所詮は次官レースから外れた男だからね(笑)。すると、当たり前だけど、「何であんなクズが偉そうにのさばっているんだ!」ってなって、それまで能力もあったし倫理的にもそれなりに高潔だった官僚が、「だったら、俺もケツ舐めるぜ!」っていうふうに、こぞって劣化競争に参加していく。だから、劣等感の塊である安倍と菅によって、本来は国民に奉仕するはずの霞ヶ関全体にモラルハザードが拡げられているわけです

福山: 先生、「安倍さん」と「菅さん」ですよね(笑)。

宮台: あっ、「安倍さんと菅さんによって」です(笑)。もちろん、これは本当に大問題です。「国民への奉仕、云々(でんでん)」は自明すぎるので横に措くと、民主主義が本来もたらすはずの知識社会化が──知恵を集める機能で「官僚の知恵」も「国民の知恵」もそうだけど──できなくなるので、統治や国家運営に知恵が集められなくなるんですね。それが企業だった場合を考えれば思い半ばにすぎるけれど、国がすごい勢いで墜落します。
 実際コロナ問題で見てもわかるように、日本はすごい勢いで墜落しつつあります。でもコロナ以前から急降下しています。たとえば経済。アメリカの一部やヨーロッパに比べて、日本の最低賃金が3分の2から半分でしょ? 過去20年間で実質の経済成長がない国って先進国では日本だけ。もう日本は先進国じゃなくなりました。1人当たりGDPは去年、韓国とイタリアに抜かれました。僕は2030年までに抜かれるだろうって公言していたので、予想が外れたことを謝りますね(笑)。5Gの基幹特許数は、日本に比べると、中国は7倍、アメリカは4倍、人口が半分の韓国でさえ3倍。皆さん記憶しておられるところでは、コロナ禍が起こる直前、昨年12月の実質成長率は既に7.1%ダウンしていました[詳しくは宮台ツイッターまとめhttps://togetter.com/li/1434201]。まじ、日本スゲエ(笑)。
 なぜこうなったのか。既得権益を守るために産業構造を変えなかったせいです。これはMMT[Modern Monetary Theory:現代貨幣理論]が正しいか正しくないかって以前の問題です。国債をばんばん発行しても財政破綻は起こらないっていう反緊縮のMMT理論が論争の的だけれど、財政破綻が起こらなくても国民1人1人がひたすら貧しくなるから、税金で成り立つ国家財政も細ってインフラに金かけられなくなります。税金の裏付けがないまま勝手に発行した紙幣によって成り立つ国家財政って信用されないんで通貨安になって、外国から買う資源もエネルギーも食料も製品もバカ高くなるからですね。ってな具合にね、
国全体の経済の実力が、もう見る影もないほど下がっています。

福山: 落ちていますね。

宮台: それは福山哲郎さんと原発問題を話し合ったり、それで本を出したりするっていう中でも明らかにしたことでしたね[https://tinyurl.com/y74b234y]。ほかの国は、日本という他国の原発事故なのに、それをキッカケに次々に産業構造改革をしたんですね。

福山: チェンジしましたよね、パラダイムをね。

宮台: はい。日本だけがしていない。だから、巨大市場へと成長した再生可能エネルギー界隈で、日本の会社は上位50位にさえ入っていません。系統線を巨大独占的地域電力会社によって支配されている状況が何も変わっていないので、いまだに旧態依然たる巨大電力会社が承認しないと系統線さえ利用できないんですね。原発事故以降、他の先進国が次々に、政策的市場を設定することで産業構造改革を推進したのに、原発事故の当事者である日本だけが何もできないない、ということに象徴されるのが、日本が激烈な速度で急降下しつつある理由です[https://tinyurl.com/yd4p2hap]。かくして日本は個人別GDPは、OECD加盟国で下から数えたほうが圧倒的に早いところにまで落ちました。ただし、これは安倍ひとりのせいじゃなく……

福山: 「安倍さん」(笑)。

宮台: だから、「安倍さん」ひとりのせいじゃなく(笑)、まさに“「安倍さんのような人」が首相をやっている“っていうそのこと自体によって、まさに急降下の原因が象徴されているわけです。僕はよく「安倍さんが悪いんじゃないよ!」って言うでしょ? それどころか、僕は安倍さんが二期目に総理になることを望むと言ってきたし、第二次安倍政権ができるだけ長く存続してほしいって言ってきたでしょ? なぜかというと、安倍さんのおかげで、日本における人と組織のどうしようもない劣化が、どんどんあぶり出されていくからです。
 だから、僕がここ20年間いろんな場所で言っていたことに、やっと人々が耳を傾けてくれるようになりました。原発事故の時にそうなるかと思ったら、1年半で忘れられちゃったんですが(笑)、その時よりも圧倒的に大勢が、「本当に宮台の言うとおりだ、この国ってこんなに劣化していたんだ、気がつかなかったな」って言ってくれるようになった。まぁ「ちょっと気がつくのがオセエよ」とは思うけれど。でも、気がつかないままでいるよりもマシです。これも安倍さんのおかげ。だから「安倍さん、ありがとうございま~す!」(笑)。

福山: 先生、そういう……まあいろんな方々が先生の言う……まあ先生、過激な言葉が多いんでアレなんですけど(笑)、先生が言われるような日本社会の劣化みたいなものを国民がある程度感じて、そしてこのコロナでみんなが「協力をしよう」「我慢をしよう」と言っている最中に、こういう検察庁法改正などを出してきたことに対して、潜在的になんとなく感じていたようなものが、今回のツイートに「怒り」や「おかしい」という声になって、ドーンと、逆に顕在化をしたということですかね。

宮台: そうです。過激な言葉で敢えて言うとね、“何と、日本の一般市民よりも遥かにクズな連中が、政治家をやっていることが、明らかになった”わけですよ。僕の場合、汚い言葉に見えるけど、ちゃんと「クズ」を定義しているでしょ。これも十年の歴史があります。「言葉の自動機械」で「法の奴隷」で「損得マシン」というのが、一貫した「クズ」の定義なんですよね。さっき説明したように、安倍さんの振る舞いがまさにそうでしょ? 劣等感を持つがゆえに、取り立てられた瞬間に“クソがついたケツでも舐める”になった人間たちもそうですよね。つまり、日本の政治の中枢、電力会社を筆頭にするような経済団体の中枢とにも、もう本当に、クズが巣喰っているんですよ。
 経済団体のついで申しますと、エデルマンっていうアメリカのPR・情報会社が分析した結果、ボード(取締役会)の経営幹部に対するリスペクトの度合いって、先進各国の中で日本が1番低いんです。なぜかっていうと、日本の経営幹部って、他国と違って、仕事が優秀だからなれるんじゃなく、上司に媚びてクソがついてケツで舐めるような「イエスマン」だらけだっていうことを、日本の勤労者が知っているからですね。まぁ、エデルマンのデータ分析からすれば、日本の組織は、何と企業まで含めて、そうした「ケツ舐め連鎖のムカデ競争」的な文化に浸されているんです。だから、この「ケツ舐め連鎖」の中では、当たり前だけれど、構造改革なんてできるはずがないわけです。
 対照的なのが、たとえばGAFA。これは国際標準ではFANGAって言いますけれどね。「プラットフォーマー」って呼ばれます。「斬新なアイディアで、新しい市場を作って、そこを独占する会社や人間たち」っていう意味です。どうしてそうしたプラットフォーマーが、日本に限って出て来ないのか。斬新なアイデアを出すと、そこに経営資源が集中するでしょ? すると「従来の組織」の中での既得権益が失われちゃう。だからアイデアを尊重しないし、アイデアを考えた人たちも、トップに対するオブジェクション[異議申し立て]になっちゃうのを、恐れるわけ。だから、新しいことができない。国も会社も「沈み欠けた船の中で座席争いをする」だけの、浅ましくさもしいクズだらけなので、産業構造改革できない。それで、日本が加速度的に落ちてきているわけですね。
 そのことに気がつかなかったっていうのは、本当に大問題です。っていうか、本当は気がついていても、「オレが生きている間に船が沈まなけりゃ、それでいい」っていうクズだらけであることが、もっと大問題です。ところが、コロナ禍で、予想よりも早く船が沈む気配になってきた。こついらにとっては自業自得っていう意味でね「ざまぁ」。でも、毎日ぼおっと生きているみなさんも、たいへんなことになるんですよ、安倍……「さん」のような存在がトップであることが許されてるってことで(笑)。つまり、犯罪者が首相をやっていて、お手々が後ろに回るのを逃れるために、法律を変えようとしているっていうのが本質です。

▶検察庁法改正案と公務員の定年延長は全く別の問題

宮台: さて、先ほど、みなさんに説明するって予告したことを説明させていただきます。これは福山さんが説明したほうがいいかもしれませんけれど、検察庁法改正は、公務員定年延長と全く別の問題です。

福山: 違いますね。

宮台: 先ほど話したけれど、桜問題などで牢屋にぶちこまれるのに脅えた安倍さんが、一般法である国家公務員法に優越する、特別法である検察庁法を差し置き、国家公務員法の解釈変更という違法なやり方で、黒川弘務の定年延長を図ったのが、出発点です。それでは違法性がバレバレだというので、事後に「合法化」を図るために──遡及禁止ないし事後立法禁止の原則に反するので合法化は不可能だけど──検察庁法改正を企てたというわけです。
 検察庁法改正案第22条には、今申し上げた構図が丸分かりです。一口で言うと、検察庁トップの定年延長について、従来「人事院の承認を得た場合」「人事院の規則で」「人事院の承認を得て」とあるのを、つまり時の内閣の恣意によっては変えられないとあるのを……

福山: それも国家公務員法ですよね。検察は、もともとこれは適用されてなかったわけですから。

宮台: そうです。従来は、検察庁法が国家公務員法を上書きするので、検察トップ人事には国家公務員法が適用されなかったのに、検察庁法第22条では突如として国家公務員法の変形版が適用されるという話になった上に、元の国家公務違法には人事院が規則に基づいて公務員の定年延長を決めるとあったのが、公務の運用に著しい支障が生じるか欠員補充が困難となると「内閣が勝手に認めれば」、検察トップの定年延長を決められるという話になっちゃった。こんなデタラメはないでしょう。どこが公務員の定年延長問題なんだよ。

福山: この基準が曖昧なんですよね。

宮台: そう。それが、「内閣が勝手に認めれば」と申し上げたことです。「内閣が定める事由があれば」って言うけれど、「どんな基準を用いて事由を定めるのか」が少しも明らかじゃないんです。でも、当たり前だけれど、そんなの基準はないに決まっているんですね。内閣が思うがままに検察の人事に介入することが、検察庁法改正の目的だからです。事由を人事院規則のような形に定めてしまったら、検察庁法を改正する意味がなくなるんですよ。


福山: だから曖昧なままで、こないだの答弁もやるということなんですよ。

宮台: 安倍にとっては……イヤ安倍さんにとっては、「内閣が定める事由」を曖昧なままにしなければ、法改正の意味がなくなっちゃうんです。もしかすると、「自分だけはお縄を逃れたい」と願うヘタレな犯罪者の動機を利用して、政治権力が絶対に検察によって妨げられないような状況を作りたいと願っているような、検察にルサンチマンを抱く勢力があるのかもしれませんね。
 さて、ここで問題なのは、やっぱり頭の悪い人が──安倍さんもそうですけれど──「検察官は行政官なんだから、内閣の人事権に服するはずだ」などという、非常識な駄弁を噴き上げていることです。

福山: うん、言ってますね。

宮台: 笑えると思いませんか? 検察庁の職員の身分が行政官だというのは、一般的には当たり前です。ここで言う「一般的には」っていうのは「国際標準では」って意味です。でも日本ではそれだけじゃ片付かないのです。それはなぜか。ヒント。どうして日本では起訴された事案の99.8%が有罪なのでしょう? 答え。起訴するかどうかを検察が「前裁き」する段階で、事実上「裁き」がなされるからです。特捜検察が捜査に動けば百%起訴になるし、起訴された事案は百%有罪になります。ということは、身分上が行政官であったとしても、機能的には司法官なのです。

福山: 当然ですね。

宮台: だから、三権分立の観点から言えば、形式上の身分が行政官であろうがなかろうが、内閣をチェックできる司法官としての機能を持つということです。ということは、内閣の恣意的な人事によって検察官の司法官としての機能を妨げてしまえば、三権分立は直ちに壊れてしまうんです。司法権力と等価な機能を、検察庁長官以下のトップが有しているってことが、この際最も重要なことなのです。

福山: そうなんですよ。唯一の公訴提起機関なんですよね。先生が言ったのは、起訴できるかできないかっていうのは、いわゆる、法的には唯一の公訴提起機関だから、だから逆に裁判所に準ずる身分の保証がいるし、一般の公務員とは違うという整理ですよね。

宮台: その通りです。検察以外からの提訴があり得ず、提訴の段階で「前裁き」という「裁き」がなされているからです。ところが、頭の悪い「言葉の自動機械」は、「行政官じゃないか!」っていうわけです。はぁ?それが何か?「言葉の自動機械」じゃない人間は、歴史を見ることで機能を見るのです。それが保守主義者であるということでもあります。身分が行政官であれ、司法官として歴史的に機能してきていれば、まさにその司法官としての機能が妨げられてしまえば、直ちに社会は回らなくなるんです。それが、まともに頭の働く人の考えることですが、安倍さんは「反保守」だから最低限の頭が働かないわけですね。

福山: 昨日ですね、先ほども申し上げた、松尾元検事総長らOBのみなさんの意見書にですね、いま宮台先生が言われたことと実は同じことの表現がこういうことで言われてまして、昨日すごく印象に残ったことをいま、先生が説明されているのでちょっとご紹介します。

「検察官も一般の国家公務員であるから国家公務員法が適用されるというような皮相的な解釈は成り立たないのである。」

と、昨日の意見書にこう書かれてあるんですよ。

宮台: そうです。まともなオツムがある人間であれば、それ以外の思考は選択できません。元検事総長の松尾さんは、元刑事局長だった時代に、僕にとってはカタキだったんですね。“盗聴の全過程が録音されて後から操作できないといった国際標準の最小化措置”が欠けた盗聴法を推進したこととか、まぁ他にも幾つかあるけれど。しかし「あぁ~あの松尾さんですら、安倍さんに比べれば、この程度まではマトモなんだな」と(笑)。いや〜、今の安倍……安倍さんや、その周りにいる政治家や官邸官僚のような劣化した連中と比べるだけで、松尾さんにはあまりにも失礼なのですが。

福山: だからまあ、元のOBすら「皮相的な解釈は成り立たない」ってこれ、言葉としては相当キツいと思うんですよね。

宮台: あれは、身分だけを見て機能を見ないような「言葉の自動機械」ではダメだと述べているのですよ。実際、検察官が司法官として機能することで、我が国の社会の円滑な作動が担保されているのです。昔の言い方だと「国体を支えている」のですね。だから、行政権力のトップは機能的連関を見極めて守ることができるだけの、保守主義的な頭脳と倫理がなきゃいけないのです。安倍さんにはそうした頭も倫理も皆無だから、行政権のトップとしての資格も皆無だ、という当たり前の事実を指摘したという点で、OB有志のアピールには意味があると思います。まぁ、呆れたんだろうね。

(以下、後半)
▶検察の暴走を止める必要はあるが「検察庁法改正案」では内閣が暴走する