視聴者の方からの多くのご要望を受けて、清水康之氏の過去の番組を再放送いたします。
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■マル激トーク・オン・ディマンド 第272回 [2006年6月16日]
タイトル:毎日1000人が自殺に走る国がまともなはずがない
ゲスト:清水康之氏(NPO法人 『自殺対策支援センター・ ライフリンク』代表)
<プレビュー>
http://www.videonews.com/asx/marugeki_backnumber_pre/marugeki272_pre.asx
年間自殺者が8年連続で3万人を越えた。現実にはその10倍とも言われる自殺未
遂者がいるため、毎日1000人からの日本人が自殺に追い込まれていることになる。
交通事故の年間の死者数が6000人台であることを考えると、これはとんでもない
数字だ。
しかし、「自殺」の持つ否定的なイメージや、「自殺はあくまで個人の選択」とい
う過った認識が災いして、自殺に関する国民的な議論がなかなかわき起こらず、メ
ディアもこの問題を必ずしも積極的に取り上げてこなかった。結果として、行政も手
をこまねいたまま、ほとんど対策らしい対策は行われていない。年間30万人からの
人間が自らの命を絶つところまで追い込まれている現実があるにもかかわらず、その
実態調査すら行われたことがないのが実情だ。
あまり脚光は浴びていないが、今週閉会した今国会で、ようやく自殺対策基本法が
超党派の支持で議員立法により成立した。これにより、ようやく日本も自殺対策がス
タートラインに立つことができる。
この法案の成立に議員とともに取り組んできたNPO『ライフリンク』の清水氏は、
法案の成立そのものは手放しで喜ぶ一方で、自殺問題を単なる法律や行政措置によっ
て解決できるものと安直に考えることに対しては慎重だ。実態調査が進むにつれ、金
融機関の個人保証、連帯保証人制度や、生命保険の自殺免責条項が行使されていない
ことの影響などは明らかになってくるだろう。しかし、そうした制度的な問題と同時
に、自殺の存在自体が今日の日本のあり方の鏡になっている面があるのではないかと
清水氏は言う。仮に自殺にまで至らなかったとしても、何かとても「生きにくい」要
素が、今の日本社会にあるのではないかと言うのだ。
そのほんの一例として、家族が自殺すると、遺族は就職や結婚に影響するという懸
念から、その事実を直向きに隠さなければならない風潮が今でも厳然と残っている。
家族が自殺を選んだ原因をあれこれ考える以前に、残された遺族は家族の死を悼み喪
に服することすら許されない状況に置かれているのが実情なのだ。
また、自殺者の多くが、自分の悩みや抱えている問題を人に打ち明けることができ
ていないという。日本では、特に男性の間に、自分の弱さを露わにすることを恥と考
える社会的風潮が、そうした背景にあるとの指摘もある。自殺問題を自分たち自身の
問題として考えていかなければならない所以だ。
いずれにしても自殺問題は、これから日本が最優先で真剣に向き合っていかなけれ
ばならない社会問題であることはまちがいない。清水氏とともに、自殺問題の現状と
課題、今国会で成立した日本初の自殺関連立法の意義などについて考えた。