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マル激トーク・オン・ディマンド更新しました。

投稿者:miyadai
投稿日時:2007-02-26 - 21:35:27
カテゴリー:イベントなどの告知 - トラックバック(3)
■マル激トーク・オン・ディマンド 第308回 [2007年2月23日収録]
タイトル:国民投票法案の中身を知っていますか
ゲスト:井口秀作氏(大東文化大学法科大学院助教授)

<プレビュー>
http://www.videonews.com/asx/marugeki_backnumber_pre/marugeki_308_pre.asx

 安部政権は憲法改正の手続き上不可欠となる国民投票の方法を定める、いわゆる
「国民投票法案」を今国会で成立させる意向を明確に打ち出している。与党側はこの
法案を、憲法に定められた手続きを規定するだけの「手続き法」と位置づけ、強行採
決も辞さない構えを見せている。
 しかし、憲法学者で各国の国民投票制度に詳しい井口秀作氏は、法案にはいくつか
の重大な問題点があり、これを単なる「手続法」と受け止めることには、慎重さが求
められると指摘する。
 まず、国民投票の方法について、法案では「関連する事項ごとの投票」となってい
るが、これでは国民は複雑に意見が絡み合う問題でも二者択一の選択を迫られてしま
う可能性が高いと言う。例えば、憲法9条を改正する場合に、自衛権のみを明文化す
る条文と、集団的自衛権の行使を認める条文が提示された場合、「関連する事項ごと
の投票」では一括して賛否を問われることになる可能性が高いため、自衛権には賛成
だが集団的自衛権には反対の人の意見は反映されないことになる。与党側は、条文ご
との投票では話が複雑になりすぎて国民がついてこれないと主張するが、だとすれば、
そもそも国民投票を行う意味は何なのかという問題も出てきそうだ。
 また、現在の与党案では、改憲案が国会から発議された後、国民投票の前に国民に
対する広報は国会内に設置された広報協議会が行うことになっているが、この協議会
のメンバーは国会の議席配分に応じて構成される。国民投票では本来、賛成、反対の
意見が平等に国民に提示される必要があるが、現行の与党案では広報段階で国会内の
勢力が反映されてしまうため、国民投票が中立的な立場から行われなくなる危険性が
あると井口氏は指摘する。
 同時に、現行法案では各政党の改憲案に関する広報費用を政府が助成することに
なっているが、これではメディアが政府から多額の広告料を受け取る立場に置かれる
ことになるため、中立的なメディア報道が担保されるかどうかについても懸念が残る。
 他にも、投票が有効になるための最低投票率が設定されていない点や、「国民投票
法案」と呼んだり「手続法」と呼んでおきながら、実際は憲法審査会を設置すること
を定める国会法の改正をも含む「憲法改正のための法案パッケージ」的な色彩が濃い
法改正である点についても、井口氏は注意を喚起する。そもそもこの法案を「国民投
票法案」と呼ぶことに疑いを持つ必要があるというのが井口氏の主張だ。与党が今国
会での成立の意志を明確にしているにもかかわらず、メディアが法案の問題点を積極
的に指摘しようとしない点も気になる。
 5月3日の憲法記念日までの法案成立が取りざたされる中、憲法調査特別委員会の中
山太郎委員長(自民党)と同委員会の委員を務める辻元清美議員(社民党)の主張に
耳を傾けながら、「いわゆる国民投票法案」とその背後にある推進派の真意について
井口氏とともに考えた。