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東大経済学部首席卒業(!)の小幡績さんとお話ししました


そういえば、東大法学部首席候補生が僕のゼミにもぐっています。
僕の知る限り、東大でも首席クラスになると、公共的なヤツばかりです。
昔、東大助手を4年やったあと、東大で5年間非常勤をやっていたとき、理Ⅲの連中を見ていて初めて気付きました。
「本当に凄いヤツ」になりたいと思うと、そうなるのかな。
利己的なヤツを相手に「本当に凄い」って感染することなんて、ないからな。
・・・・みたいなことを考えた記憶があります。

例によって宮台発言の一部のみ抜粋します。



宮台◇ (小幡さんの『すべての経済はバブルに通じる』は)素晴らしい本です。証券化とは何か、どんな証券化が何を意味するかを、こんな平明に説明した本はない。サブプライムショックの根本を、そもそもバブルが「仕方ない」現象であることを踏まえて、深い次元で解説しています。

宮台◇ ご著書に「売ろうとしても売れないという流動性リスクが債券の最大のリスク」とあります。「みんなが買えるがゆえにみんなに売れること」が価値なのだと。神保さんが「知る人ぞ知る」堅実な中小企業を運営していても、外国人投資家は目を向けない。神保さんの活動を一生懸命調べてリスクとリターンを算出して投資をできる人は極く少数。この場合、投資判断が間違っていなくても、急にキャッシュが必要になって債券を売ろうとしたとき、無名企業だから買い手がつかない。これが「みんなに売れない」リスクです。


宮台◇ 債券は元々きちんと探索すれば内容が見えます。でも探索しないと見えないし探索コストがかかるので、一般には“見える”状態にまでアクセスしにくい。証券市場では簡単な数字が提示されることで、ディープに観察すれば見えるものとは「違うものが見える」ようなります。リスクとリターンを誰もが分かるように格付けした時点で、見る人が見れば分かったものが抜け落ちるだけでなく、新しい何かが加わる。情報の量だけでなく質が変わる。「分かりやすくなる」というより「違うものが見える」。可視化の罠です。

宮台◇ なのに、未来への「みんなの期待」を先取りするがゆえの〈バブル化〉も、資本主義の外側が消えるがゆえの〈フロンティア消失〉も、両方とも回避できない。だから、金融資本主義化も、金融資本主義化の終焉も、必然だと小幡さんはおっしゃるわけです。

宮台◇ (小幡さんの公私混同こそが大切だとの指摘を踏まえて)公私混同とは面白い。アメリカのコミュニティバンクは伝統的に「儲かりそうだからカネを貸す」のでなく、何で儲けているのかを見て「地域に役立ちそうだから」「周りの人間が幸せになりそうだから」貸す。リスクやリターンの標準化された指標に留まらず、近くにいないと意味を持たない情報や社会的利得を評価します。これが公私混同だとすると、内容を精査せずに「コネがあるから貸す」新銀行東京も別の意味で公私混同です。むろん小幡さんが推奨されたのは前者。単に儲かるから貸すのでなく、活動がソーシャルだから貸す。でもソーシャルだからといって「みんながわかる」という意味でのパブリックじゃない。かといって「身びいき」でもない。新銀行東京が“泥棒”だとすると、コミュニティバンクは“共栄”的。むろん、身内だけの“共栄”こそ“泥棒”だから、右翼国際主義みたいに「諸パトリの共存」を目標とするかどうかです。

宮台◇ 小幡さんの公私混同はソーシャルコミットメントです。「自分としての自分」の外側にあるものも「自分の一種」であるかのように見做して行動する。「他人の痛み」を「自分の痛み」と見做す選好構造です。自分が末長く儲けるのに必要な他人との間のプラットフォーム(共有財)というだけじゃ小幡さんの指摘する「他人のカネだから(損しても)いいや」問題は克服できない。社会学者パーソンズも大恐慌から同じ教訓を引き出しました。彼は、価値コミットメントは生得的でなく社会環境が埋め込むものだと考え、社会環境全体の設計を企図するニューディーラーを擁護します。「社会成員が利他性を自然感情だと見做すように刷り込むにはどうすればいいのか」を考えよということです。

宮台◇ 見込んだ通り小幡さんは面白い方です(笑)。確かに、日本は世界に先んじて色んな現象が起こります。「近代の否定ではなく、近代を相対化する近代主義が大切だ」という昨今の最先端思想も、元々は亜細亜主義がルーツです。日本が先んじるのはなぜか。地域性や宗教性や階級性の縛りがないからです。
 地域性からいうと、維新後の近代化は集権的再配分に基づきます。江戸時代のような独立採算ユニット(藩)を認めず、中央から資本主義を操縦しました。だから「世界で最も成功した社会主義国」と呼ばれてきました。でも縛りのなさは功罪あります。中央から再配分できなくなったとき、人々を包摂する地域性の不在はアノミーをもたらすからです。
 アメリカでは宗教的良心が、ヨーロッパでは階級的連帯が、中国では血縁的包摂が、縛りであると同時に、包摂のよすが。日本はこれら縛りがないので高速で大規模に近代化を遂げたけど、逆に地域的包摂も宗教的包摂も階級的包摂も血縁的包摂も効かないので「カネの切れ目が縁の切れ目」になりやすい。地域も宗教も階級も血縁も相続財産ですが、「善くも悪しくも」なのですね。相続財産を欠く日本は、空洞化しやすいが、実験もしやすい。
 僕が思うに「アジアという公私混同」が重要です。インドや中国は長期的に投資対象になりますが、彼らの経済成長がもたらす資源負荷や環境負荷はインド人や中国人だけでなく世界中を苦しめます。日本は環境対策技術でこそ欧州各国に抜かれたけど、エネルギー利用の効率化技術は世界最高水準。こうした技術はインドや中国に売れるだけでなく、インド人や中国人の利益になります。だから「同じ亜細亜じゃないか」という公私混同から出発する壮大な構想は「あり」です。
 いずれにせよ(1)資本主義に代わる枠組はない。(2)資本主義の市場均衡は人々の選好構造に依存する。人々が利己的ならば資本主義は「非社会的」均衡を、人々が利他的ならば「社会的」均衡をもたらす。(3)だから世界の存続は「いい人たちが営む資本主義」に移行できるかどうか次第。(4)それはパーソンズ的な意味での「埋め込み」が成功するか次第。というわけです。日本には「いい人」を埋め込むための文化的リソースはあるかもしれない。
投稿者:miyadai
投稿日時:2008-12-31 - 15:58:40
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お知らせ マル激トーク・オン・ディマンドの公開収録

マル激トーク・オン・ディマンドの公開収録イベントを、
12月20日(土)、新宿ロフトプラスワンにて行います。

http://www.videonews.com/news/001465.php

神保、宮台両キャスターが08年のニュースを振り返ります。
皆様のご来場をお待ちしております。


<マル激トーク・オン・ディマンド 公開収録>

「2008総集編・メディア崩壊元年を振り返って」

12月20日(土)12:30開場 13:00開始

場 所 :新宿ロフトプラスワン
    (新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2)
    http://www.loft-prj.co.jp/PLUSONE/access.html

出 演 :神保哲生 宮台真司
入場料 :1,000円(ワンドリンク付き)

※前売りチケットはございません。先着順でのご入場となります。

※当日は、マル激トーク・オン・ディマンドバックナンバーDVD等の販売を
予定しております。
投稿者:miyadai
投稿日時:2008-12-18 - 08:49:20
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マル激トーク・オン・ディマンド更新しました。

マル激トーク・オン・ディマンド 第402回(2008年12月13日)
WTOと日本の農業政策を再考する
ゲスト:山下一仁氏(経済産業研究所上席研究員)


<プレビュー>
http://www.videonews.com/asx/marugeki_backnumber_pre/marugeki_402_pre.asx




 スイスのレマン湖畔で、日本の農業や食料自給に大きな影響を与える重要な交渉が続いている。WTOのドーハ・ラウンドだ。ドーハ・ラウンドは、関税の大幅引き下げなどをめぐるぎりぎりの交渉がジュネーブのWTO本部で続いているが、早ければ13日にも開かれる見通しだった閣僚会合が、17日以降に延期され、現時点で見通しはたっていない。
 しかし、いずれにしても対立点は絞られてきており、7年に及んだドーハ・ラウンド交渉は、関税の大幅引き下げなど、日本の主張が一顧だにされない、日本にとっては非常に厳しい内容となることが避けられない状況だ。
 農水省でガット室長などの貿易交渉ポストを長年経験してきた山下一仁氏は、コメをはじめとする「重要品目」を関税引き下げの対象から外し、あくまで高い関税で国内市場を守ろうとする日本政府の交渉スタンスを批判する。「重要品目」は高い関税の維持を認めてもらう代わりに、最低輸入義務(ミニマム・アクセス)を受け入れなければならないが、それが結果として必要以上のコメの輸入を拡大させることになり、日本の食料自給率の更なる低下が避けられないとの理由からだ。
 ドーハ・ラウンドが妥結すれば、日本はコメの関税を778%に維持することへの代償として、現在毎年77万トンの最低輸入義務(ミニマム・アクセス)が課せられているコメの輸入を、さらに増やさなければならない。水田の4割を減反して生産量を抑えておきながら輸入量が増えるという、矛盾した結果となるが、多数の高関税品目を持つ日本が関税の引き下げを行えば、そうでなくでも苦境にある日本の農家が大打撃を受けるというのが、政府やJAの主張だ。
 しかし、山下氏は、折からの穀物価格高騰で国際市場でのコメの価格も上昇しており、日本は現在の関税を大幅に引き下げても、輸入米と十分競争していけると主張する。関税引き下げを免除してもらうことの引き替えにミニマムアクセスを受け入れるよりも、競争原理を受け入れた方が、結果的にコメの輸入量が増えないばかりか、将来的にはコメの輸出さえ可能になるというのが、山下氏の主張だ。
 自由貿易の推進を目的に95年に発足したWTOでの決定は、強制力を持つため、加盟国の産業や経済を大きく左右する。農産物や鉱工業品の関税削減などの貿易ルールの合意をめざすドーハ・ラウンドは、今年7月にインドと米国が対立したために決裂したが、9月の金融危機後、自国の産業を守る保護主義への回帰が懸念され、再度合意に向けての調整が行われることとなった。
 日本は工業製品の分野では、自由貿易の恩恵をもっとも受けてきた国の一つであり、WTOにおいても工業製品の分野では一貫して関税の撤廃を推進する立場をとっているが、農業については、コメ市場を守ろうとするあまり、頑なに高い関税を死守する政策に拘泥している。しかし、アメリカやEUが、農家への直接支払いによって国内農業を保護していく政策に転換する中、どうも関税で国内市場を保護する日本の政策は国際社会の中で正当性を失いつつあるようだ。
 もとより工業製品と同じように農業を扱うことはできないが、日本の農業政策は、ともすれば日本の農業を守るというよりも、日本の農協(JA)、そしてそれが代表する兼業農家を守る政策にすり替わっているきらいがある。そして、それを支えているのが、農協、農水省、自民党農水族の「農水鉄のトライアングル」だと、山下氏は説明する。
 現在の日本政府の農業政策は、本気で農業をやろうとする主業(専業)農家のためにも、消費者のためにもなっていないと、農水省の政策を批判し、省を辞職して間もない山下氏とともに、WTO農業交渉から見えてくる日本の農政の問題点を議論した。また、スーザン・ジョージ氏のインタビューなどを通じて、WTOが進めてきた自由貿易の問題点なども再考した。

今週のニュース・コメンタリー
米ビッグ3救済法案廃案
広島県女児殺害事件 無期懲役判決を差し戻し
宮内庁、天皇陛下が「心労」と発表
政局動向
関連番組
マル激トーク・オン・ディマンド 第399回(2008年11月22日)
日本農業再生の道
ゲスト:神門善久氏(明治学院大学教授)

マル激トーク・オン・ディマンド 第180回(2004年09月03日)
遺伝子組み換え食品とアメリカの世界食糧戦略
ゲスト:天笠啓祐氏 (市民バイオテクノロジー情報室代表)

インタビューズ (2008年12月11日)
WTOのマイナス面についても評価が必要
NGO「環境・持続社会」研究センター代表理事・古沢広祐氏インタビュー

プロフィール
山下 一仁やました かずひと
(経済産業研究所上席研究員)
1955年岡山県生まれ。77年東京大学法学部卒業。同年農林省入省。82年ミシガン大学大学院応用経済学、行政学修士課程修了。応用経済学、行政学修士。05年東京大学大学院農学生命科学研究科農業・資源経済学専攻で農学博士取得。農水省ガット室長、地域振興課長、食糧庁総務課長などを歴任の後、08年3月農水省を退職。08年4月より現職。現在東京財団上席研究員等を兼任。09年1月に『農協の大罪』(宝島社新書)を刊行予定。
投稿者:miyadai
投稿日時:2008-12-16 - 13:32:06
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『14歳からの社会学』再度品切れとなりましたが直ちに回復いたしました。

『14歳からの社会学』
14歳からの社会学2

『14歳からの社会学』がまたもや『3〜5週間待ち』となっておりました。
ご迷惑をおかけいたしましたが、新たな重版などによって回復いたしました。
(今後はアマゾンで品切れにならないための根本的な対策がとられました)

書店の棚に並んでから一ヶ月ほどですが、まもなく累計4万部となります。
最近の傾向は、女性読者が急増していること、地方都市に拡がっていることです。

昨日、作家の重松清さんにわざわざお越しいただいて、トークイベントをいたしました。
キーワードは、本気、不自由、80年代、往相還相でしたが、深い話ができたと思います。

キャパシティが40人でしたので、サイン会にしか参加できない方がおられたのが、残念です。
来年は別の作家さんをお呼びして、トークイベントを開催する予定です。

わざわざ沼津からサイン会にかけつけてくださったお客さまもいらっしゃいました。
サイン会の際に気づいたのですが、中学生の女子や男子が来ていたことが印象的でした。

「14歳だと、けっこう難しかったでしょう?」
「いいえ、そんなことはなかったです」
14歳男子のお客さんとのやりとりです。

「女子学院は楽しいでしょう?」
「ええ、すごく楽しいです」
15歳女子のお客さんとのやりとりです。

来年1月には都内の高校で、高校生を集めた読書会&質問会をします(クローズドです)。
企画をしたのは高校OBの大学生たちですが、こうした企画を喜んでお引き受けいたします。
(版元の世界文化社にお尋ねください。担当は岡田知也さんです)
投稿者:miyadai
投稿日時:2008-12-13 - 09:46:40
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マル激トーク・オン・ディマンド更新しました。

http://www.videonews.com

■マル激トーク・オン・ディマンド 第401回(2008年12月06日)
後期高齢者医療制度は必要だ
ゲスト:土居丈朗氏(慶應義塾大学准教授)

<プレビュー>
http://www.videonews.com/asx/marugeki_backnumber_pre/marugeki_401_pre.asx

 自民党は2日、「姥捨て山」などと批判されていた後期高齢者医療制度の見直し案を、3月末までにまとめる方針を固めたようだ。
 今年4月に始まった後期高齢者医療制度は、83年から実施されてきた老人保健制度(老健)に代わる新たな高齢者を対象とする医療保険制度で、75歳以上の高齢者の医療費の負担分担などを定めている。しかし、後期高齢者というネーミングの悪さや、保険料が年金から強制的に天引かれることの負担感、そして75歳以上の高齢者だけを切り離すことから、「姥捨て山」などの批判にさらされ、実施から半年も経たないうちに、舛添厚労相が見直しを表明するにいたっていた。
 確かに、後期高齢者医療制度が、対象となる高齢者に対して一定の負担を求める制度であることは間違いない。しかし、日本が世界に誇る「国民皆保険制度」は、いまや存亡の危機に瀕している。一人あたり40歳代の5倍かかると言われる高齢者の医療費を賄うためには、現役世代と高齢者の負担割合を明確に定めると同時に、高齢者の医療費の不必要な高騰を防ぐ仕組みが不可欠だ。これまで日本の医療費は税収を大きく上回るペースで増えており、このままでは時間の問題で日本の皆保険制度は破綻することが目に見えている。そうした中にあって、人口が多い団塊の世代が75歳に達する前に、持続可能な医療保険制度を確立しておくことは、次世代に対する責任でもある。
 財政学の専門家で、財政面から社会保障制度の問題点を指摘している慶應義塾大学経済学部の土居丈朗准教授は、後期高齢者医療制度について、改善の余地はあるとしながらも、その必要性を擁護する。その理由は明快だ。
 まず、既存の老人保健制度が、問題がありすぎる制度だった。これまで75歳以上の高齢者の医療費は、老健制度のもと、患者負担(1割)と医療保険の各保険者からの拠出金と税金によって賄われてきたが、これは高齢者の医療費を事後的に配分する会計の仕組みにすぎず、運営の責任主体さえ存在しない、到底保険制度とは呼べないような代物だった。運営主体が存在しないため、いくら費用がかかろうが、抑制力が働かない。要するに、いくら費用がかかっても、それを単に他へ会計的につけ回していればいいという、いたって野放図な制度が老健だった。それが、高齢者の医療費急増の一因となっていたことは間違いない。
 後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者を対象にした独立した制度で、それを本人1、現役4、公費5で分担して支えていこうという制度だ。また、運営主体を県単位の広域にすることで、保険料の差を現行の5倍から約2倍にまで縮小している。後期高齢者医療制度は、これまで繰り返し指摘されてきた老健の問題点を、そっくり改善した仕組みであるといえる。
 しかし、長年課題だった老健の欠陥を補うこの制度が今、事前説明の足りなさとプレゼンテーションの悪さ故に、制度の本義が理解されることのないまま、政治的な理由から、見直し論にさらされている。自民党の見直し案は、制度の本質は温存したまま、悪名高かった「後期高齢者」の呼称を「長寿」に変更したり、自己負担率を微調整したりする程度の弥縫策にとどまる模様だが、民主党はいったん制度を廃止し、問題の多い老健制度に戻すことを主張しているのだ。
 もっとも、後期高齢者医療制度が存続しても、日本の社会保障制度が抱える本質的な問題が解決されるわけではない。企業の健保組合が老人加入率の高い国保の負担を肩代わりをしている構造は、後期高齢者医療制度導入後も変わっていないのだ。08年度推計では、勤労者が納めた健保保険料の約45%が高齢者医療への支援で消える。その影響で、約9割の健保組合が赤字に追い込まれており、今年に入ってからも健保組合の解散が相次いでいる。
 高齢者医療の運営方法が決まった今、政治的な理由で不毛な見直し論に陥っている場合ではない。今こそ、負担のつけ回し構造という日本の社会保障制度が抱える本質的な問題を議論しなければならない。最終的には、日本では社会保障の責任をどこまでアメリカのような自己責任に委ねるべきなのか、どこまでを保険料で賄い、どこまでを公費で負担すべきなのかといった、国家像にも関わる社会保障のあり方の本質を問う議論が不可欠となるだろう。
 急激な高齢化に直面する21世紀の日本には、どのような社会保障制度が適しているのか。適している以前に、どのような選択肢があるのか。後期高齢者医療制度の必要性と今後日本がめざすべき社会保障制度を、財政の専門家の土居氏とともに議論した。


<今週のニュース・コメンタリー>

・田母神前空幕長が外人記者クラブで講演

・被害者参加制度始まる

・クラスター爆弾禁止条約調印式

・「ニュース23」が3月で終了

・警察官から500万円を強請った男

・改正国籍法可決


<関連番組>

■マル激トーク・オン・ディマンド 第319回(2007年05月11日)
まやかしの社保庁改革を斬る
ゲスト:岩瀬達哉氏(ジャーナリスト)

■マル激トーク・オン・ディマンド 第158回(2004年04月02日)
日本の年金制度に未来はあるのか
ゲスト:保坂展人氏 (ジャーナリスト)
投稿者:miyadai
投稿日時:2008-12-09 - 08:29:19
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